絶品ゆどうふのタレ

ふと気づいたことを綴るだけのメモ

@niftyの新しいクラウドサービス(β版)を使ってみた。

クラウドコンピューティングならニフティのパブリック型クラウド

先日、@niftyから国内では珍しい?コンシュマー向けパブリック・クラウド型の、IaaSクラウドサービスが発表されました。
で、これのβサービスが募集されていたので、これに応募したところ、先日アカウントが発行されてきたので、ためしにいろいろいじくってみました。


そこでちょっと、そのサービスを見てまわって、いじってみたうえでの感想を、おそらく競合の対象となるであろうAmazonとの違いも含め、サービス面・機能面のところからかるーく雑感として適当にまとめてみました。
網羅じゃないと思うけど、まぁ足しになれば。


なお、強調しておきますが、このデータは2010/01/24の段階でのβ版での話です。この内容がサービスの機能等が正式なものになるとは限りませんので、参考までに。
また、ここで開示する情報が規約上「開示してはいけない情報に該当するかどうか」の判断が難しいところがありましたので、料金などのビジネス上影響を与えうる部分は載せていません(変更されたら混乱を招くし)。が、機能的にもそういうことは言っちゃいけない、なんて項目がありましたら、ご指摘いただければ削除しますので、ご連絡ください。

サービスを見回ってみての感想

まず、サービス概要の直感からいうと、スペック的に言ってスタートアップ・サービス or 個人向けの小規模サーバを狙ったものだな、という感じです。

インスタンスの操作について

機能とサービス面の話が絡まっちゃうけど

  • 月額定額制と従量課金制が選べる
  • インスタンスはstart/stop/rebootが可能
    • Amazonとの違いとして、従量制であっても、stopしたインスタンスは削除されない。
    • ただし、stopしている状態でも、少額ながら維持費が従量課金される。
      • なので、stopとは別にインスタンスの削除という行為が存在する。
  • インスタンスのstart時に、スペックと課金体系を変更できる。
    • 課金方式の変更は、翌月からの適用額が変更される形。
    • インスタンスのスペック変更は、随時可能
      • 月額課金型の場合、スペック変更時の料金とかは細かくどう計算されるのか。。。そこは未調査。

という感じです。

システムのベースについて

ベースはシステムの話をざっくりまとめときます。

  • ベースはVMware
    • 現状はCentOS(32bit/64bit)のみ。今後RedhatWindows Serverが拡張予定
      • 今のところ、自作VMは乗りません。

スペックについては

  • mini
    • 1GHz(cpuinfoはXeon X5570 2.97GHz*1。smallは制限がかかるらしい)の1CPU、512MBメモリ、30GBディスク
  • small
    • 3GHzの1CPU、1GBメモリ、30GBディスク
  • medium
    • 3GHzの2CPU、2GBメモリ、30GBディスク
  • large
    • largeに限り、64bitOSを選択した場合のみ利用可能。
    • 3GHzの4CPU、4GBメモリ、30GBディスク

という感じです。
(後述しますが、ディスクは追加可能です。)


最大でもメモリ4GBと小さめのため、大容量データの扱いは微妙です。
アクセス高付加に対応したい、という方向は割といけそうです。
(ネットワークのバックボーンはちょっとまだ把握してません。)

HDDについて

ディスクは追加で100GBのディスクを接続できます。
もうちょっと調べたところを列挙。

  • SCSI接続のディスクとして認識。
  • 1台のインスタンスに対して、複数台のディスクをマウント可能。
    • 200GB追加したければ、100GBx2になる
  • 追加ディスクは生のディスクが未フォーマット状態のまま。
    • /dev/sdb、/dev/sdcに増えていく形。
    • 未フォーマットなので、使う際には要fdisk+fstabも自前で設定が必要。
  • 複数サーバへの同時マウントはできない。
    • 共有したい場合にはNFSを使うことになるっぽ。

といった感じです。


まぁ、普通に物理サーバの扱いに慣れてる人なら問題ないでしょう。

バックアップ体制について

サービス的に裏側の冗長性がどうなってるのか、ってのはよくわかりません。

で、独自に対応する方法についての妄想と現状

  • VMイメージ丸ごとをバックアップする方法も現段階では存在しない
  • 標準ディスク(/dev/sda)の構成を見たところ、現在のイメージではLVMを使用していない
    • β版現時点(2010/01/24)では運用する際には独自に何かしらの機構を作って、データを個別バックアップする必要がありそう。
    • 外部ストレージもないしめんどくさいなー。

このあたりは、パブリック・クラウドを狙う際にはぜひとも利便性向上のために頑張ってほしいところ。
正式版に期待。

ネットワークについて

さっきも書いたけど、帯域はよくわかりません。まださすがに負荷テストするまでいじってません。
ただ、やはり国内であるが故か、レイテンシが全然ないのは素敵です。
快適です。軽いです。ここはAmazonじゃどうやっても追いつけない利点です。


で、ネットワークについて。

  • 1マシンにつき、グローバル1IPとローカルIPが固定。
    • start/stop/rebootしても不変
    • でも、/etc/sysconfig/network-scriptsの中を見ると、dhcpって書いてあるので、「本当に」固定なのかは知りませんw
  • Amazonみたいに個別のサブドメインは振られない。
  • ローカルのネットワークは、全利用者共通(らしい)
    • デフォルトではiptablesでローカルを遮断するようにしてある。
    • 2台以上を分散させて使う場合に、ここら辺のセキュリティに注意を払う必要が出てくる。

とはいえ、ここら辺は正式版の頃には変わっている可能性は結構ありそうですね。


なお、sshの接続設定とかに関して、Amazonの不思議ーな例があるので一応あげておくと

って感じなので、過剰にgkbrする必要はないと思います。

コントロールパネルについての感想

かなり直感的で使いやすいインターフェースだと思います。
よく設計されてる気がします。
サービスのステータスもコンパネ上から随時確認できて、結構いい感じ。

そして、きれいな見た目で印象もいいです。
現状、コンパネ側からインスタンスに対してメモをつけておけるようになっているのですが、これが意外と助かります。


ただ1点だけ一番いらっとしたのは、グローバルIPがコピペしづらいことw
IPの数字の間に変にスペースが入っているので、ターミナルにコピペできないw

そんなわけで自分は、固定IP(たぶん)なのをいいことに、スペースを取り除いたIPの文字列をメモに書き込んで、コピペ用に使ったりしています。

最終的に使ってみた感想。

全体的に、スモール向けというか、Amazonみたいに「おらー、どでかいサービスドーンとこいやー!」って感じではなく、細かく細かく使おうという感じなのかなー、という印象を受けてます。
インスタンスの規模が全体的に小さいのと、バックアップ体制に(現段階では)不明瞭な点が残っていることを考えても、大規模サービスをドカンと乗っける感じじゃないでしょう。*2

逆に、スタートアップや個人など、ちっちゃい規模だったら結構ありじゃないかな、と思ってます。


ちなみに、ここでは費用はあえて触れていませんが、Amazonと比べると性能に対しての費用感は今のところ、少し割高な感触を受けています。
が、

  • 小規模での必要量を細かく指定できること
  • 月額制がとれること
  • インターフェース的に使いやすいこと

などもありますし、なによりもやっぱり

  • 停止時でもデータが保持されること
  • ネットワーク遅延が感じられないストレスからの解放

が、Amazonと比較した際の、現段階での一番の売りですかね。


ともかく、正式サービスの発表に、期待です。

*1:マニュアルによると5500「番台」

*2:その辺は、単純に政治的というか経済的な理由だったりするのかもしれませんが。